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オリンピックの身代金

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オリンピックの身代金

奥田 英朗
¥1,890
在庫あり。
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おとりおき
オリンピックの身代金

奥田作品の最高到達点...
この作品が吉川英治文学賞を受賞した時の記事(毎日新聞)を読んでいたら奥田英朗さんの「キャラクターに頼らず、ストーリーでページをめくらせようという気持ちで始めました」との発言が載っていました。 でも、ストーリーの面白さに加えて、やっぱりキャラクターもとてもよかったと思います。 東大のマルクス経済学の研究室に籍を置きながら過酷な肉体労働を実践する青年(大物)と、ひょんなことから彼につきまとうことになるスリで生計を立てている初老の男(自身曰く小物)の、島崎と村田の犯行側のコンビ。 奥田キャラというと何といっても伊良部の印象が強いですが(『サウスバウンド』の親父もインパクトありました)、ラストのこともあり、このコンビも忘れがたい強い印象を残しました。一人だとそうでもないと思うんですけど、補完し合うコンビの魅力ですね。 警察側と犯行側の2つの視点でかつ時間軸がズレている構成も、最近ではこの類のミステリでは同系のものが標準装備されていることが多いですが、奥田さんらしく堅牢な作りで、最後まで飽きさせません。 奥田色があまりないような印象も受けましたが、正統派のサスペンス・エンターテインメントとして純粋に楽しめました。

これを読まずして、奥田英郎を語るなかれ...
こんな傑作を読まずにいた自分が悔しい。奥田英郎のファンを自称していたが、「真夜中のマーチ」「サウスバウンド」と駄作が続いて、単行本を買ってはずれると悔しさが倍増してしばらくは奥田英郎の名前を見るたびに「彼ももう終わりだ」と思っていた。「無理」が出て、「最悪」「邪魔」のシリーズだと期待して購入。今度は裏切られなかったので、奥田節の復活を喜んでいた。偶然「オリンピックの身代金」を思い出して、期待半分で読んだら、これまでの最高傑作だった。内容についてはほかの方が書いているので触れないが、ひたすら「島崎国男」に感情移入して読めた。それにしても僕より10歳も若い奥田英郎にあの昭和30年代が描けるとは、やはりプロはすごいと戦慄した。奥田英郎さん、見くびって申し訳ない。もう一度ファンになります。これからも期待しています。

読み応え充分...
戦後の秋田からの出稼ぎ者の話は、いまの格差社会を見つめ直すきっかけとなる。 地方と東京、エリートと人夫、キャリアとノンキャリ、表社会と裏社会。 高校時代に、早稲田出身の教師に「大学は東京に行くのだろうから標準語を話せ」と言われた東大生の優男の主人公には、秋田の方言や土着性は消えており、この物語で、彼を東京と地方をはじめとする、富めるものとそうでないものの間を自由に往来させることで、格差をクローズアップしている。 刑事と警察官僚を父に持つテレビ局員、そして主人公の物語を時差をあえて設けて日誌風に展開する。 ある場面では先の状況を知りつつ、この物語を読むことになり、展開を考慮しつつ登場人物の心理を推し量ることを楽しみことができる。

不思議な余韻が残った...
日本は、「東京オリンピック」を開催することにより、完全に戦争の痛手から立ち直った姿を 世界各国に示そうとしていた。誰もがオリンピックに夢や希望を抱いているかに見えた。だが、 警察を狙う爆破事件が発生する。オリンピックを妨害しようとする事件だったが、このことは 日本国民に知られることはなかった・・・。一人の若者の生き様を衝撃的に描いた作品。 高度経済成長期の日本。「東京オリンピック」という華やかな祭典の陰には、いまだに貧困に あえぐ人たちがたくさんいた。日の当たるところにいる者とそうでない者との激しい格差には 言葉もない。そのまま何事もなければ、東大生である島崎国男も日の当たる道を歩き続ける ことができただろう。だが、彼に仕送りを続けていた兄の死が、彼を変えてしまう。「自分を 日の当たる場所に出すために、どれだけ家族が犠牲を払っていたのか!」そう思う島崎は、兄の 死を乗り越えることができなかった。そして、兄と同じ境遇に自分の身を置いたとき、日本の 国が抱える矛盾に気づいてしまった。「日本の国の豊かさは、ごく一部の人間たちのものだ・・・。」 彼の境遇には同情すべきところもある。たった一人で、「あったこと」を「なかったこと」に してしまうような恐ろしい国家権力に挑む姿は、「孤高」という言葉にふさわしいように見える。 だが、実際にやっていることは狂気の沙汰としか思えない。彼の行動には、理解も共感もできな かった。 長すぎる気もするが、いろいろなテーマを含んだ読み応えのある作品だった。読後も不思議な余韻が 残った。

戦後と現代のはざまにこんな時代もあった...
輝かしいオリンピック開会式に向けて、各所急ピッチで準備が進められる中、2件の爆破事件が起こる。身代金は8000万、人質はオリンピック。だがこれはいわゆる謎解きミステリーではない。犯人も、その動機もかなり早く明らかにされる。今年になって「警官の血」を読んだこともあり、戦後と現代の間に、自分の知らないもう一つの時代というか、段階があったんだということを、今回も思い知らされた。これはオリンピック当時の社会情勢を壁紙にした犯罪絵巻である。歴史的には、戦後は現代と一くくりにされがちである。自分の産まれた頃の写真を見ても、電化製品や洋服の流行り廃りを除けば、今と同じ時代に属していると思う。だが、そのほんの少し前、昭和40年頃までは、日本もかなりの格差社会であったことを、今回ほとんど初めて思い知らされた気がする。特に、冬の間雪に閉ざされる東北は、かなり貧しかった。もちろん「出稼ぎ」のことは教科書にも載っていたが、その実体は何も知らなかった。登場人物の中の一人がこうつぶやく。「今は多少不公平でも石を高く積み上げる時期なのとちがうか。横に積むのはもう少し先だ」まさに、その不公平でも石を高く積み上げた時期の話。ずっしりと読み応えがあった。だが小説として、事件の終わりが見えてからの展開が、ゆっくり過ぎというか、吸引力に欠けるというか、終わりにかけてしぼんで行く感じなのが、残念。それはさておいても、この時代を知らない30歳代以下の方には、是非読んで頂きたい。

無理
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無理
奥田英朗の小説はどこか人間の暗部に焦点を当てたものが多い。小説は現代の反映であり、その反映の内実の多くは決して幸せなものではないし、それらを小説化した代表的なものが純文学と呼ばれるものだろう。だから純...
家日和
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家日和
奥田英朗全開。本人は真剣そのものなのだが、はたから見るとちょっと面白い。そんな日常を切り取った作品。ちょっとずれていて、少々滑稽な人々をユーモアたっぷりに描写...
用もないのに
カテゴリー : 書籍
用もないのに
本書は前半は野球編、後半は遠足編のエッセイです。全部奥田氏がその場所に訪れているエッセイです。私は、野球編のみのほうが良かったかなと思いました。それに、「再び、泳いで帰れ」がもう少し長くてもいいかなと...
チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)
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チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)
やられた。誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。死への憧れを募らせる...
新参者
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新参者
この方の作品は、最近、ストーリーがパターン化しているようななんとなく似たような作品が続いてるような気がしますがその中でも秀逸です。このペースで本を出し続けて、...
悼む人
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悼む人
プレビューでなく、読み終えた読者としての感想を述べるならば、”恣意的な展開”というひと言に尽きる。まず、静人の、悼みへの旅に出るまでの動機が不明瞭だ。ボランティア先の小児病院での子供の死...
ジョーカー・ゲーム
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ジョーカー・ゲーム
子供の頃に空想したような「かっこいいスパイ」を少し大人向けに書きました、といった内容。読了後に余韻が残るとか、考えさせれるというものではなく、た...
泳いで帰れ (光文社文庫)
カテゴリー : 書籍
泳いで帰れ (光文社文庫)
遅ればせながら、読了。10年前のアテネ五輪の観戦紀行文集。野球の日本代表チームの戦いを中心に、女子マラソンや柔道、女子バスケットボールなど、開催途中にギリシャ入りして、忙しく、時に悠然とアテネの街を...
煙霞
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煙霞
ノンストップクライム小説なんて触れ込みですが、それほどわくわくするものでもない。昔で言うなら、赤川次郎的なご都合主義的世界観。※女性が、気が強い...
ウランバーナの森 (講談社文庫)
カテゴリー : 書籍
ウランバーナの森 (講談社文庫)
あの夏、軽井沢で、ジョンは幽霊と便秘に襲われた。奥田英朗のデビュー作。デビュー作から、まさかのパロディ。しかも便秘と言う突拍子のなさ。さすがです...

本 「オリンピックの身代金」
... もちろんエンターテイメント小説としても完成度は高いと思います。 作品としてはボリュームがありますが、読み応えのある小説と言っていいでしょう。 「オリンピックの身代金」奥田英朗著 角川書店 ハードカバー ISBN978-4-04-873899-6

新着速報(H22/3/5)
1. オリンピックの身代金 奥田英朗 角川書店 長編 単行 2. 海賊モア船長の遍歴 多島斗志之 中央公論社 長編 単行 3. 楽園の眠り 馳星周 徳間書店 長編 単行 4. ブルー・ローズ(上・下) 馳星周 ...

「サウスバウンド」 奥田英朗
... 「東京オリンピックの身代金」の主人公にも親しみを感じました。 (たぶん、読者に親しまれるように描かれていたから) 「無理」はつきはなした雰囲気が大人向けと思わ ... 「オリンピックの身代金」 奥田英朗 「港町食堂」 奥田英朗 「野球の国」 奥田英朗 ...

オリンピックの身代金
バンクーバーオリンピック、楽しかったですね。 なぜかオリンピックというと、国別の色別メダル数が話題になりますが。 それぞれの人が自分のベストを尽くそうと頑張る大会で、メダルの数はあまり関係ない気がします。 ...

オリンピックの身代金
「 オリンピックの 身代金 」 作者:奥田 英朗 おすすめ度: ★★★★★ 最初は、小難しい昔の話かなと思ってたけど、 意外におもしろくて、のめりこんじゃいました。 いろいろ複線があってよんでて あー、これかって思えて 読み応えがありました。 ...

オリンピックの身代金
オリンピックの身代金 (2008/11/28) 奥田 英朗 商品詳細を見る 傑作だと思います。 奥田英朗さんの2008年秋の作品。 バンクーバーオリンピック真っ盛りですが、 作品の舞台は東京オリンピック。 ...

ダイイング・アイ【東野圭吾】
... やっぱり今回もやられました。 【サスペンスの最新記事】 アマルフィ【真保 裕一】 同期【今野 敏】 向日葵の咲かない夏【道尾 秀介】 ストロベリーナイト【誉田 哲也】 オリンピックの身代金【奥田 英朗】

オリンピックの身代金 奥田英朗
オリンピックの身代金 クチコミを見る 昭和39年夏、オリンピック開催に沸きかえる東京で爆発事件が発生した。これは1人の若者が国に挑んだ反逆の狼煙だった。 昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け ...

奥田英朗がすごい 「オリンピックの身代金」
オリンピックたけなわである。オリンピックで思い出したのが,昨年秋に読んだ奥田英朗の「オリンピックの身代金」。読み終わったときには,これは素晴らしいと感動し,その勢いで最新刊の「無理」にも手を伸ばした。 ...

奥田英朗のテロ感覚
1年ほど前に出た奥田英朗の『オリンピックの身代金』を読んだ。昨晩読み始めて、もう読み終わってしまった。彼の小説は『サウスバウンド』や『家日和』しか読ん ... 『オリンピックの身代金』も、東京オリンピックを舞台にテロを企てる東大の大学院生が主人公。 ...

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